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PaceControls社のモデルベース設計

HVACR機器コントローラーのモデルベース設計手法



PaceControls社のHVACR産業向けクラウドIoTソリューション


HVACR産業向けクラウドIoTソリューションの技術開発・製造で市場をリードするPaceControls社は、2011年より、省電力アルゴリズムの開発にモデルベース開発プロセスを活用しています。同社が開発した4G LTE/Wi-Fi/ZigBee無線通信機能を備えた、Androidベースの第3世代スマートグリッドソリューションPACE+PACE Cloudは、設計、試験、製造工程において、solidThinking Embedが使われています。

サーモスタットからHVACR設備までに対応したPaceControls社のテクノロジーは、サーモスタット制御信号などを受信し、HVACR設備の電力使用量を最小化する最適な制御信号を生成します。さらに、省電力効果の予測値をリアルタイムで計算し、Verizon社のLTEネットワークを通じてクラウドおよび顧客に転送します。PACEノードは、大規模な商用施設の一般的な冷暖房設備であるパッケージ型屋上設備(RTU)のそれぞれに設置され、ZigBeeネットワークを介して通信します。最も大容量の商用設備向けコントローラーは、OTAファームウェアアップデートもサポートしています。

HVACRシステムは、コンプレッサーとファンを1基ずつしか搭載していないものから複数基搭載したものまで、その構成やサイズは千差万別です。PaceControls社のテクノロジーには、主要な10種類のHVACR構成(1構成につき要件数は200以上)に対応できる柔軟性が求められます。こうしたテクノロジーの開発には、品質、コスト、スケジュールに加え、要件管理、複雑なアルゴリズムへの対応、設置および使用方法の簡略化、高精度の節電効果予測といった課題をクリアしなければなりません。

「様々なHVACR設備でIoT接続と省電力化を実現するPACE+PACE Cloud製品群の開発における全工程でsolidThinking Embedを使用しています。Embedのモデルベース設計機能と自動コード生成機能を随所で活用することで、開発期間と予算を守りながら、エラーのない高品質な製品を開発できました」
Tom Mills
President, PaceControls

ソリューション-開発プロセスにおけるEMBEDの活用


そこでPaceControls社は、solidThinking Embedによるモデルベース開発プロセスを適用することで、4年間で2世代のPACE+PACE Cloudを、重大な不具合が発生することなく開発および出荷することに成功しました。モデルベース開発とは、シミュレーションとHIL(Hardware in the Loop)試験から成る開発プロセスであり、Embedはその全工程をサポートしています。

シミュレーション工程では、設計モデルでシステム要件を表現します。設計モデルには、動的なブロックダイアグラムと状態機械モデルがあり、ここには、信号の上下限値とともに要件および許容偏差が時刻歴信号として表示されます。設計モデルは、モデルに埋め込まれたsolidThinking Embed Hyperlinksにより要件とリンクされます。次に、HVACRシステムの動的モデル(=プラントモデル)を作成し、電力・需要最適化制御アルゴリズムの設計、解析、モデリングを行います。この“制御&プラント” 統合モデルの性能が、各設計モデルの許容範囲内に収まるまで、解析、設計修正、シミュレーションを繰り返していきます。solidThinking Embedのブロックダイアグラムと状態図、解析ツールボックス、フィルタリング、最適化機能は、シミュレーションステップの随所で使用されます。

HIL試験ステップでは、まず、EmbedによってコントローラーモデルのCコードを自動生成します。その後、Embedサポートライブラリを使ってコードをAndroidアプリケーションとしてコンパイルします。このアプリケーションは、クラウドに接続されたQualcomm SnapdragonマイクロコントローラーによりPACEノード上で実行されます。続いて、センサースケーリング、レイテンシー、実行順序、初期化、CPU利用率、精度が正確に計算されているかどうかを確かめるために、デスクトップ環境で製品試験を実施します。このデスクトップ環境では、プラントの代わりに、solidThinking Embedモデルで制御される汎用I/Oボードを使用し、センサー用の試験信号の生成とマイクロコントローラーからのアクチュエーター信号の記録を行います。デスクトップ環境での試験完了後には、PACEノードシステムを実際のHVACRシステムに接続し、設計モデルに照らして性能を再評価します。

製品要件を満たす設計モデルの開発

最終製品が要件定義の性能使用を満たしているかどうかを確認するHIL(Hardware in the Loop)試験

結果とメリット


PaceControls社はEmbedを使用することで、2世代の先進的な高性能スマートグリッドソリューションを設計・販売することができました。19,000箇所以上の導入実績がありながら、重大な不具合は1例も報告されていません。Embedは、要件定義、制御システム解析および設計、フィルタリング、最適化、シミュレーション試験、コード自動生成、HIL試験など、モデルベース開発プロセスの重要な要素をすべてサポートしています。PaceControls社の最新製品は、15,000個のsolidThinking Embedブロックで構成され、生成されたコードは20,000行、満たした要件は2,000にも上りました。4人のFTE開発エンジニアのチームによって、わずか1年半で企画から製品開発までを完了させることができました。

About PaceControls社

PaceControls社(米フィラデルフィア州ネイビーヤードクリーンエネルギーキャンパス)は、冷暖房・空調(HVACR)産業向けクラウドIoTスマートグリッドソリューションの技術開発・製造で市場をリードしています。3世代にわたって進化を続けてきた同社の製品は、世界各地で19,000箇所の導入実績があり、顧客の電力・ガス使用量を15%節約することに寄与しています。

PaceControls
101, Navy Yard Clean Energy Campus,
4747 S Broad St, Philadelphia, PA 19112, USA

http://www.pacecontrols.com/

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